リスク情報を通じたアフガニスタンの開発の強靭化

アフガニスタンは、その地理的な立地や長年の環境悪化が原因で、洪水、地震、雪崩、地滑り、干ばつなどの深刻な自然災害が繰り返し起きやすく、人命・暮らし・財産が失われる事態がたびたび起きています。1980年以降の自然災害の被災者数は900万人、死者数は2万人超にのぼっています。 また、数十年に及んだ紛争により、アフガニスタンの自然災害への対処メカニズムと防御力は損なわれました。そのために、危険事象が重大な人道的・経済的影響を伴う災害に転じる可能性が高まっています。 ハザード・暴露・脆弱性およびリスクに関する情報の創出・認識・アクセスのしやすさは、有効な災害リスク管理に欠かせません。しかしアフガニスタンでは、現在および将来の災害・気候リスクに関する情報はごく限られていました。 日本-世界銀行防災共同プログラム(日本プログラム)による支援と、アフガニスタン国家災害管理省との緊密な協力とにより、重大リスク情報確立(ECRI)プロジェクトは、複数の危険要素を対象とする、国レベルでの包括的なリスク評価(一部の地理的領域の詳細評価を含む)を実現しました。 リスク評価の結果はアフガニスタン・リスク・プロファイルと、オンラインの地理空間情報システムであるアフガニスタン災害リスク情報ジオノードとにより視覚化されています。リスク評価と災害プロファイルは、脆弱な紛争経験国では初めての取り組みであり、すでに、アフガニスタンにおける現在および将来の災害リスクに対する認識の向上に役立っています。こうしたツールは、政府が各種の自然災害への自国の暴露状況をより十分に把握し、災害への事前対策を講じることで、将来の困難を回避できるようにしています。アフガニスタン・リスク・プロファイルは、各危険要素(洪水、地震、干ばつ、雪崩、地滑り)に関する情報と、より十分な保護に向けたリスク緩和策がとれるようにするための重要な提言とを提供しています。アフガニスタン災害リスク情報ジオノードは、オープン・データ・フォーマットで地図上にリスクを表示し、利用者が独自の分析を行えるようにしています。また利用者は、特定の地点を拡大表示して、リスクを評価し計画を立てることができるほか、洪水と地震についての費用対効果分析を行って、洪水や地震が開発の計画・実施にどのように影響を及ぼし得るかを示すこともできます。 非常に重要なのは、今では政府がこれらのツールを利用して、災害と気候の考慮を、予算・計画プロセスに主流として組み込むようになっていることです。また、世界銀行チームは、ジオノードのリスク情報を使って、アフガニスタンへの世銀の投資の計画・設計・実行にレジリエンスの側面を組み込むよう指導されています。現行および計画中の投資にECRIがどのように情報提供を行っているかがわかる顕著な事例を、以下に紹介します。アフガニスタンにおける教育品質改革プロジェクト:現在準備中のこの新しい教育プロジェクトは、学校建設など、国家教育戦略計画で概説されている改革・成果の支援に乗り出すします。ECRIはアフガニスタン国内の既存の学校の評価への情報提供と支援を行って、脆弱性と改善が必要な領域とを特定し、自然災害に対する学校の全体的なレジリエンスを強化します。アフガニスタンのためのヒンドゥークシュ山脈横断道路接続プロジェクトは、ヒンドゥークシュ山脈を横断する道路交通の接続性の向上を目指すものです。ECRIは、サラン峠など2本の交通回廊のリスク評価に対して情報提供を行い、脆弱性とリスク緩和策を特定します。アフガニスタン市民憲章プロジェクトは国家優先プログラム(NPP)の1つです。市民憲章はアフガニスタンで初めての省庁間・多部門のNPPで、農村開発、教育、保健、農業、灌漑などのプログラム的アプローチを用いた単一のプログラムを、各省庁が協力して実施するものです。コミュニティ開発協議会(CDC)を地方政府と連結することにより、コミュニティから地区・自治体・国レベルへの情報伝達と整合を改善し、政府の可視性と説明責任を向上させます。ECRIは、インフラの設計と用地選定、技術者とCDCのトレーニング、および、自然災害に対する認識の強化のレビュー・更新に対して情報提供を行っています。灌漑復旧・開発プロジェクトは、約30万ヘクタールの灌漑地を対象とする灌漑システムの再建、限られた数の多目的小規模ダムと付属物の設計・建設、および、水文気象観測設備・サービスの確立に支援を提供しています。ECRIは新しい灌漑計画とダムの評価に対する情報提供を行うとともに、水文気象サービスと早期警報に関する国のロードマップを支援します。アフガニスタン農村部アクセス・プロジェクト(ARAP)は、農村部にアクセスするためのインフラの再建・管理を通じて、農村コミュニティが通年通行できる道路で基本的なサービス・施設にアクセスできるようにするものです。ECRIは、自然災害が道路網の通年利用可能性を脅かしている地域を特定することでARAPを支援しているほか、特定されたリスクを軽減するための設計強化と維持管理改善を提案しています。 日本プログラムはまた、アフガニスタン水・エネルギー省(MEW)に対する技術支援 およびダムの安全性に関する技術知識交換を通じて、アフガニスタンにおける耐洪水性の灌漑設計とダムの安全性の支援に日本の専門技術を結びつけてもいます。このように、日本プログラムは、リスク情報に基づく政策決定と技術的支援との両方を通じて、アフガニスタンにおける開発のいっそうの強靭化に向けた取り組みを引き続き強化することを目指しています。

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